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原子力空母−この一年を振り返る

 この1年は、空母の問題に明け暮れた年であった。平成18年6月の市議会で、私は原子力空母の配備はやむを得ないと発言した。それまで求め続けてきた通常艦の可能性がゼロとなり、ほかに選択肢がない中での苦渋の決断であった。
 最大の問題は、原子力空母の安全性であった。安全性に疑念を持ったまま受け入れることは、市長として絶対にできない。私が容認したのは、安全性に関する政府の説明に自分なりに納得したからであり、米海軍原子力艦の半世紀の歴史の中で原子炉の事故を一度も起こしていないという実績を、信頼すべき事実と考えたからである。
 先般、横須賀総合高校でのまちづくりミーティングで、生徒の皆さんから空母に関し率直な二つの質問を受けた。(1)空母が爆発したら大変では? (2)原子力空母の母港化は「非核三原則」に反するのでは?同様の疑問を持つ市民もおられるのではなかろうか。
 まず第一の点に関しては、原子力というと原爆を連想して爆発すると恐れる人が多いが、空母は、核爆発は絶対に起こさない。なぜなら、核爆発を起こすために必要な特別の起爆装置を備えていないからである。空母が爆発し、東京湾に巨大なきのこ雲が立ち上るなどといったことは、全く事実無根の想定である。次に、非核三原則の「核」は、核兵器の核である。日本は核兵器を持ち込ませないという方針と、原子力空母の配備とは何ら矛盾しない。
 私は、空母の安全性は実際の運用面が鍵(かぎ)と考えている。設備の適切な維持管理と十分に訓練を受け高い能力を持つ要員の配置が必要である。米海軍はこれまで無事故の実績を誇り、サンディエゴのように母港の市民の厚い信頼を勝ち得ている。横須賀でもそのことを必ず守ってほしい。
 国や米軍は、初めて原子力空母を受け入れようとしている横須賀市民の不安を取り除く最大限の努力をしてほしい。モニタリング体制の強化や万々が一に備えての相互支援協定の締結、共同防災訓練の実施が必要である。これらを実現させ、市民の安全と安心を高めるのが市長としての務めと考え、今、全力で取り組んでいる。
横須賀市長 蒲谷亮一

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