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放射能漏れ?

 先般、横須賀港の海水からごく微量の放射性物質コバルトが検出されるという問題が起きた。 文部科学省による再調査が行われ、専門家会議を経た結論はおおむね次のとおりであった。 (1)コバルトがごく限られた範囲からごく微量が検出された。その原因は特定できなかったが、原子力艦の原子炉や冷却系の事故に起因するものとは考えられない。 (2)検出された量はごく微量であり、健康や環境への影響は全くない。要するに、安全上何ら問題ないという結論であった。
 原子力艦の冷却水漏れのような万が一の事態を心配した私としては、誠にほっとした結末であった。横須賀港が原子力艦の放射能で汚染されているかのごとき印象を受けた市民もいるのではなかろうか。そうではないことを知ってもらい、安心してもらうのがこれを書いている理由である。
  検出されたコバルトが、一体どこから来たのかという疑問は残る。しかし、われわれがその物質の存在を問題にする最大の理由は、それが人体や環境に悪影響を及ぼす放射線を出すからである。ところが今回検出された量は、そのような心配の全くいらない、けた違いのごく微量である。
  もともと自然界には微量の放射線が存在し、われわれはそのような自然放射線を毎日浴びながら何の問題もなく生活している。今回検出された量は、そのような自然界の放射線レベルのそのまた数十万分の一でしかない。
  いくらごく微量でも、それが湾全体に広がっているとか、何らかの重大な事故の前兆の可能性があるとすれば問題だ。だが今回の調査の結果は、そのような心配は一切認められなかった。
  今回図らずも、横須賀港の監視体制が極めて厳重なものであり、わずかな変化も見逃さないチェック機能が働いていることが実証された。その意味で安心感が強まったのは事実だが、反面、安全上全く問題ない場合でもこれほど大騒ぎになると、横須賀港に風評被害が生じかねないことを危惧(きぐ)する。国民、市民の皆さんにおかれては、惑わされることなく、冷静に科学的事実を見極める目を持たれるよう切望する。
横須賀市長 蒲谷亮一

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